中国ドラマ 惜花芷(せきかし)~星が照らす道~3・4・5・6話あらすじとネタバレ
名家の令嬢・花芷(かし)は一夜にして没落した家を救うために立ち上がる。智略と誇りを胸に、商業の世界へと踏み出す彼女の奮闘を描くロマンス時代劇。
花芷が家の没落と裏切りに立ち向かい、自らの力で道を切り開く第3〜6話。あらすじとネタバレを紹介します。
『惜花芷』のあらすじネタバレ全話一覧は惜花芷 星が照らす道:あらすじネタバレ 全話一覧をご覧ください。
主要キャスト・登場人物一覧
- 花芷(か し)/張婧儀(ヂャン・ジンイー)
- 顧晏惜(こ あんせき)/演:胡一天(フー・イーティエン)
- 芍薬(しゃくやく)/演:盧昱暁(ルー・ユーシャオ)
- 沈淇(しん き)/演:呉希澤(ウー・シーザー)
惜花芷 3話 あらすじ ネタバレ
要約
あらすじ
屋敷の整理と老夫人の方針
夏金娥(か・きんが)は相変わらず「三夫人」の気分を抜けず、使用人に命令を繰り返します。花芷(か・し)は黙って自分の侍女を動かし、率先して片付けに参加しました。老夫人 林婉(りん・えん)は夏金娥に厳しく点検を命じ、過去の贅沢を戒めます。「今は一族が力を合わせねば」と語り、皇帝の意向を探る密命を与えました。
沈家の父子
一方、沈淇は父に金を頼むも断られます。弟の沈煥は放蕩を許されるのに、自分は倹約を強いられ屈折が募ります。
花家の一夜
新居の寒さに凍える花家の女たち。火鉢を囲みながら眠りにつきますが、花霊が水に落ちる騒ぎがあり不安が広がります。夜半、花芷は異変に気づき鍾叔を呼んで全員を外へ避難させました。危うく一酸化炭素中毒を免れたのです。
疑念と対立
秦姨娘は泣きながら「自分はドアを閉めていない」と訴えますが、出火の原因を巡って夏金娥と二夫人斉蕙蘭が激しく口論。老夫人は沈痛な表情を浮かべました。花芷は花屹正の言葉「行動の前に熟考せよ」を思い出し、沈黙を守ります。
顧家の陰影
同じ頃、顧晏惜は凌王府を訪れ、妹・芍薬の病を案じます。凌王 顧晏焄との会話で、皇帝顧成燾への確執と、家族を犠牲にした猜疑の歴史が語られました。
感想・見どころ
花芷はお手柄でした。あの冷静さは貴族の娘とは思えません。どこで危機管理を覚えたのでしょうか。でも救った直後に「犯人扱いされる」のがこのドラマの怖いところ。秦姨娘を巡る疑惑も、誰かが仕組んだ罠っぽい。夏金娥の庇い方が妙に芝居がかっていて「あ、裏に何かあるな」と思わせます。
惜花芷 4話 あらすじ ネタバレ
要約
林婉が信頼した陳智の裏切りで花家の財産が失われ、花芷が真相を暴いて汚名を背負い、顧晏惜との初対面で静かな火花が散る。
あらすじ
財産運用の相談
沈淇らの援助を受け、林婉は陳智の提案を採用し、良地を買って再起を図ることにしました。都の屋敷を借りる計画も進み、夏金娥が主導します。花芷は反対しましたが、未婚の娘が人前に立つことは許されませんでした。
陳智と余徴遥の共謀
金が足りず、沈淇が自分の玉佩を提供。陳智は「誓って全うする」と言いつつ、裏では質屋と通じて財を横領していました。花芷は不審を抱き、鍾叔に尾行を命じます。陳智はそれに気づき、裏門から逃れました。
七宿司の血の粛清
同じ頃、顧晏惜(こ・あんせき)は七宿司副使・袁七を処断。司使の権威を示し、部下に忠誠を誓わせました。これが後に、花家の運命を左右することになります。
花家の崩壊
陳智は再び現れ、蔵書を売って資金を補うよう進言。林婉も夏金娥も信じましたが、花芷が戻り、沈淇の玉佩を突きつけ真相を暴露しました。陳智は逃走しますが、花芷は七宿衛に自首。陳智と共に連行されます。
顧晏惜との邂逅
顧晏惜は報告を受け、花芷の潔白を認めて釈放を命じます。しかし、花芷は逃げずに面会を求め、「花家の蔵書を返してほしい」と訴えました。顧晏惜は面具越しに彼女の聡明さを見抜き、あえて何も問わず書物を返却します。その中には花屹正の未発表稿が隠されていました。
感想
惜花芷 5話 あらすじ ネタバレ
要約
あらすじ
沈淇との決別
夏金娥が沈淇の人柄を褒めるのを聞いた花琴は、恩返しと称して彼に迫りました。沈淇が拒絶する中、花芷がその場を目撃します。彼女は沈淇に玉佩を返し、「もう花家には来なくてよい」と静かに告げました。今の花家には他力ではなく、自ら立つ力が必要なのだと。
立ち上がる花芷と病の老夫人
花芷は蔵書『梅花易数』を林婉に返却し、花屹正の原稿が無事であることに老夫人は安堵します。しかし陳智の裏切りで受けた衝撃から病を得てしまい、家は極貧に陥りました。夏金娥は沈家や自分の実家に頼ろうと画策しますが、花芷は「再び他家に縋れば破滅する」と断固反対します。
実家の拒絶
四夫人・呉玉娘が花芷を伴って実家へ向かいますが、門前で冷たく追い返されました。彼女の家は今も官職にあり、花家を助けることはできないのです。夏金娥の実家も同様で、彼女を引き取る代わりに「子を捨てて戻れ」と迫ります。母としての情に泣いた夏金娥は金を辞退し、娘・花朵を抱いて帰途につきましたが、途中で盗賊に襲われ耳飾を奪われます。
顧晏惜と芍薬
一方、顧晏惜は病の妹・芍薬を見舞い、蕭氏が薬を無理に飲ませているのを制止。「心の傷を無理に癒やすより、優しさを残す方がよい」と諭しました。芍薬は彼を兄と認識し、涙ながらに「母を忘れるのが怖かった」と告白します。顧晏惜は夢の中で母の死を再び見て目覚めて涙を流しました。蕭氏との和解により彼の心にもようやく光が差し始めます。
沈家の訪問
翌朝、沈老夫人が婚約破棄の書状を持って花家を訪れましたが、荒れ果てた屋敷を見て言葉を飲み込み、「ただ林婉に会いに来ただけ」とだけ告げました。
感想
「門前払い」の文化と家格の維持
古代中国では没落した親族を迎え入れないのは冷酷というより「家門の保身」でした。特に科挙官僚の家では、罪に連座することを避けるため血縁を絶つ選択がしばしば行われています(参考:『明実録』嘉靖条)。呉玉娘の実家が門を閉ざしたのは、当時の社会をよく表しています。
惜花芷 6話 あらすじ ネタバレ
要約
あらすじ
正月の桃符売り
元日、花芷は最後の装飾品を質に入れ、紅紙と筆を手に街角で桃符を書き始めました。没落した貴族の娘が路上に立つ姿は人々の注目を集め、嘲りの声も上がりましたが、花芷は泰然と筆を走らせます。そこに沈淇が現れ、彼女の筆致を称え、銀銭を置いて桃符を求めました。その一枚が評判となり、次々と人々が買い求めます。
名誉と誇りの狭間
花芷を侮辱する者が現れ、沈淇は激怒して殴りかかりますが、花芷は冷静に「お金が稼げればそれで良い」と諭しました。沈淇は再び友情を申し出、花芷も受け入れます。このやり取りを、楼閣の上から顧晏惜(こ・あんせき)が静かに見つめていました。彼は興味を覚え、部下に桃符を買わせます。
二人の再会
薬材を求める花芷は、七宿司の門前で顧晏惜を呼び止め、薬舗の場所を尋ねました。馬車に並んで歩く道すがら、顧晏惜は「沈家との縁談が破れたから世に出ているのか」と問い、花芷は「面具の奥に隠れて生きるあなたこそ」と皮肉を返します。二人の会話は張り詰めつつも、互いの本心を測り合う知的な駆け引きでした。
顧晏惜の追及
一方、凌王府では蕭氏が奴婢を殺害したとの報告が上がり、顧晏惜は母の死の真相を疑い始めます。老僕の証言により、当夜の火事は偶然ではなく、王妃の助けを求める声が確かにあったことが判明しました。さらに、数年前、童僕姿の花芷がその場に居合わせていた記憶が蘇ります。
沈家の悲劇
沈父は息子の沈淇が花家の男たちを見送りに行こうとしていると知り、杖で重罰を与えました。沈淇は血を吐き倒れ、父子の絆は完全に断たれます。
感想
花芷が路上で桃符を売ってましたけど。貴族の女性が街頭に立ち、桃符を書いて売るなんてありえない行為なんです。書は貴族の教養で金を得るための手段にしてはならない。だから、彼女を囲む人々は単に彼女個人をあざ笑っているのではなく。そういう社会の常識や圧力なんですよね。
体面を守るのが正義とされた時代ですが花芷はその筆を止めません。彼女にとって大事なのは、古い価値観ではない。人として生き抜くことなのでしょうね。家族を背負った責任の重さを感じます。
解説:桃符(とうふ)とは
桃符とは桃の木の札に魔除けの言葉を記した新年の護符。唐代から宋代にかけて盛んに使われました。のちに紙に書く形式となり、これが現在の「春聯(しゅんれん)」の原型とされています。庶民が家門に貼るのは吉祥の象徴です。
まとめと今後の展開
花芷は貧窮を受け入れ、ついに“自分の力で生きる”という第一歩を踏み出しました。顧晏惜は母の死をめぐる疑惑を掴み、花芷との過去の接点に気づき始めます。沈家の介入は完全に途絶え、花家は真の孤立に。
私は、次回から顧晏惜と花芷の“真実を共有する関係”が動き出すと見ています。
彼女の筆と彼の剣――この二人がどう歴史の闇を切り開くのか、目が離せません。
コメント