中国ドラマ「孤城閉（こじょうへい）～仁宗、その愛と大義～」31・32・33・34・35話のあらすじとネタバレ紹介記事です。
仁宗 趙禎の髪結いを決める日。仁宗 趙禎は董秋和の髪型を気に入ったものの、董秋河が張茂世の世話で宮中に入ったことを知り不機嫌になりました。
また張妼晗は非常識な飾りをしたためこちらも趙禎の機嫌を害します。
結局、趙禎が選んだのは俞婕妤の推薦した采児でした。
公主の徽柔は趙禎にその理由を聞きました。趙禎は董秋和が嫌いなわけではなく、好きな人や優れた人が必ずしも身近にいる必要はないと言うのですが。政治的な駆け引きも絡み合った人事は、幼い徽柔には理解できませんでした。
孤城閉 主要人物
人物紹介は姉妹サイトの「アジアドラマの史実」にジャンプします。
趙禎（ちょう・てい）/仁宗
演：王凱（ワン・カイ）
曹丹姝（そう・たんしゅ）/曹皇后
演：江疏影（ジャン・シューイン）
李蘭恵（り・らんけい）/順容・宸妃
演：車暁
苗心禾（びょう・しんか）
演：許齢月
第31話 尊敬の本質
病に伏せる呂夷簡は国の事を心配して、范仲俺に仁宗のことを頼みます。趙禎は呂夷簡の言葉を受けて淹、韓琦、富弼を選び、改革を行わせることにしました。
感想：
宋朝の問題点は官僚が多すぎて人件費がかかりすぎること。史実でも仁宗はこの３人に改革を指示するのですが。いつの世も抵抗勢力はいるもので。うまくいくのでしょうか。
一方、後宮では張妼晗の件もあり趙禎と曹丹姝は気まずい関係になっています。
そんななか。苗心禾と兪婕妤が趙宗実と高滔滔の婚約について話していると公主の徽柔が「高滔滔は絶対に趙禎のように多くの妻妾を娶ることを許さない」と言いました。兪婕妤は徽柔の言葉に同意します。というのも仁宗 趙禎には既に皇子が誕生しているため。宗実が王位を継承することなさそうなので、沢山子供を作る必要はないからです。
感想：
この前の場面で徽柔が仁宗 趙禎と皇后 曹丹姝のギクシャクした関係を見ていていたたまれない気持ちになっていました。そういったこともあってか、徽柔は独占欲の強い高滔滔は趙宗実にはそうはさせないだろうと考えているようです。
実はこの場面には歴史上のエピソードが関係しています。
後の時代。高皇后（高滔滔）は曹太后（曹丹姝）から「英宗（趙宗実）に妃嬪が少ないことを指摘されます」そのとき高皇后は曹太后に「私は皇帝に嫁いだのではありません。団練使（結婚当時の宗実の役職）に嫁いだのです」と言い返した記録があります。そのため高滔滔の性格がこのように設定されているようですね。
第32話 恐れを知らない２人
徽柔たちは学問の講義を受けていました。徽柔は石介から政を称賛する文章を習いました。徽柔は講義から返ってくると、曹丹姝に授業の内容について話しました。
徽柔は平然と張妃嬪のことを悪く言います。曹丹姝はそんな徽柔が心配になりました。そして曹丹姝は徽柔を叱って言い聞かせるのでした。
感想：
張妃嬪はわがままかも知れないけれど、意外と人に取り入るのが上手く徐々に見方を増やしているみたい。徽柔はそんな張妃嬪が嫌いなのが態度に出てしまうんですね。だから張妃嬪はよけいに徽柔を嫌ってしまう。
しかも張妃嬪と徽柔にはわがままでいられる共通点があるのですね。曹丹姝は徽柔が張妃嬪のようにはなってほしくないので厳しく叱ったのですが。徽柔には理解してもらえたでしょうか。
またここで徽柔が石介から習った言葉は歴史上は「慶暦聖徳頌」と呼ばれ、後で問題になります。夏竦は欧陽修から弾劾を起こされ失脚されていますが。この時代の宋は考えの違う者を批判して引きずり降ろしてばかり。悪口合戦になって「決められない政治」になり宋は衰退します。
仁宗 趙禎は政について曹丹姝と話しました。趙禎は自分の考えを理解してくれている曹丹姝に気分を良くし。酒が入った勢いでつい「太后のようだ」と言ってしまいます。その言葉を聞いた曹丹姝は複雑な気持ちになるのでした。
感想：今の曹丹姝は妻というより、政治の相談相手みたいになってますからね。太后の身代わりでは不満でしょう。
第33話 危うい幼き生命
賈玉蘭といた瑶瑶が倒れてしまいました。そこに董秋和が通りかかりました。張妼晗は娘の瑶瑶が倒れてパニック状態に。張妼晗は太医にあたりちらします。董秋和は張妼晗をなだめるのですが。張妼晗は董秋和が何かたくらんでいると考え褒美を与えて下がらせます。
その後、仁宗 趙禎と皇后 曹丹姝は徽柔の教育について話しました。趙禎は曹丹姝の言葉に機嫌を壊して怒ります。すると曹丹姝はひざまずいて謝罪。自分が「国母」としてかみられないと言うと趙禎はますます怒るのでした。
感想と解説：
趙禎の態度はまるで臣下に対するのと同じ。最初から曹丹姝を皇后としてしかみてなくて、妻とは思ってないようですね。曹丹姝にそこを指摘されてますます怒るとは、大人げない気もしますね。
曹丹姝は瑶瑶の病気が自分のものと似ていると思いました。曹丹姝は花粉アレルギーがあるのですが。今の時期は起こらないはず。そこで賈玉蘭のハンカチに原因があるのではないかと疑います。そして賈玉蘭も瑶瑶の病気の原因を知って許蘭苕に怒るのですが。
感想：
今で言うアレルギー症状を引き起こす花粉を賈玉蘭にハンカチに付けて瑶瑶に危害を加えようという手の込んだ作戦のようですね。まさか、結果的に趙禎と趙徽柔の仲良し父娘の関係にも影響するとは。
第34話 怒りを収める術
張妼晗は娘・瑶瑶が命の危険にさらされていると思い、徽柔を疑います。そこに仁宗 趙禎がやって来たのですが、張妼晗の言い分を鵜呑みにして徽柔を叱ります。怒った徽柔はその場から立ち去り一人で泣いていました。そこに梁懐吉がやってきて徽柔を慰めました。
感想：趙禎が溺愛していた徽柔よりも、張妼晗の肩をもつとは。徽柔としてはショックですよね。徽柔にとって張妼晗は嫌いな女ですから。
その後、趙禎は徽柔のご機嫌をとりにやってきて、張妼晗をかばって徽柔を怒った理由を説明します。徽柔は趙禎の考えを知って、父の言う通りにします。
感想：この場面、徽柔にしては聞き分けが良すぎるような。徽柔の性格ならここで素直に聞かないでしょうと思うのですが。それだけ父を信頼しているってことでしょうね。
一方。朝廷では過剰な人員を削減するための議論が行われていました。そこに王拱辰がやって来ました。王拱辰は免職された郡守が自殺したと晏殊と言い、改革をやめるように主張するのでした。
感想：なんとリストラされた役人が自殺したとは穏やかではありません。でも裏で不正をしていたり、働きの悪い人が削減の対象になっています。でも利権にしがみつきたい人たちは、それを役人全体の危機みたいな理屈にすり替えるんですね。
第35話 心躍るわずかな非日常
西夏との戦争が終わりました。人々はその出来事を祝って、都で盛大な灯籠祭りが開かれました。宮中でももりあがっています。仁宗 趙禎は徽柔たちにお祭りのことを得意になって説明。さらに、視察も兼ねて徽柔や曹丹姝、臣下を連れて街に出かけました。
趙禎たちは女相撲を見学、どちらが勝つか賭けをしました。ところが趙禎たちはある姉妹についての歌を聞いてしまいます。それは王拱辰を辛かった者のようなのですが。王拱辰は気まずくなってその場を立ち去ってしまいます。
しかし。朝議の場では問題が次々と持ち込まれます。街の大きな酒楼が倒産思想になっていること。地方の官吏・滕宗諒の横領疑惑などです。
范仲淹は滕宗諒はそのような人物ではないとかばうのですが。これまで不正を厳しく罰してきた范仲淹は批判にさらされます。
解説：
王拱辰は薛逡の三女と結婚。でも三女は病死。その後、王拱辰は薛逡の五女と結婚しました。ドラマでは王拱辰が批判の的になっていますが。この当時は有望な科挙合格者には婿になって欲しいと要望が殺到。婿の奪い合いがおきていました。宋は文官＝高給取り＆地位高いので。上位の科挙合格者は人気だったのです。
だから計算高いのはむしろ薛逡の方。王拱辰が悪意をこめて語られるのは気の毒ですね。でもまあ人々の噂ってそういうものですよね。王拱辰自身も改革に反対して既得権を守ろうとしているわけですから。世間の批判に文句を言える立場でもないですよね。
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