イサンの実話:ドラマと史実の違いを解説

イサンの実話 韓国ドラマ紹介

韓国ドラマ「イ・サン」は、朝鮮王朝第22代国王・正祖の生涯を描いた作品です。

正祖は父・思悼世子の悲劇を乗り越え、数々の困難に立ち向かいながら、朝鮮王朝の改革に尽力しました。

ドラマでは正祖の人間味あふれる姿や彼を取り巻く人々との絆、そして激動の時代が生き生きと描かれています。

本記事ではドラマ「イ・サン」の史実と創作を比較しながら、登場人物たちの実像に迫ります。

 

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イ・サンは実在した国王・正祖がモデル

韓国ドラマ「イ・サン」は、実在した李氏朝鮮の第22代国王、正祖をモデルにした作品です。

正祖は18世紀後半、朝鮮王朝で改革を推進した名君として知られています。ドラマでは、彼の波乱万丈な生涯が描かれています。

ドラマと史実:幼少期の友情は創作

ドラマの中で、幼い世孫イ・サンは、ソンヨン、パク・テスという二人の友人と出会い、友情を育みます。

この三人の絆は、ドラマの大きな見どころの一つですが、彼らの幼少期の出会いやエピソードは実は創作されたものです。

父・思悼世子の悲劇:史実に基づく深い心の傷

しかしイ・サンの父、思悼世子が米びつに閉じ込められ餓死したという悲劇的な事件は、実際に起こった出来事です。

1762年、幼いイ・サンの目の前で起こったこの事件は、彼の心に深い傷を残しました。

米びつ事件が正祖に与えた影響:復讐心、孤独感、改革への決意

この事件は正祖の人生に大きな影響を与えました。父の無念を晴らすための復讐心、幼くして父を失ったことによる孤独感、そして父のような悲劇を繰り返さないために国を改革しようという強い決意。

これらの感情は正祖の行動の原動力となったと考えられています。

厳しく育てられた子供時代:王位継承者としての重責

イ・サンは、幼い頃から祖父である英祖の厳しい教育を受けました。父の悲劇を目の当たりにしながらも、彼は学問に励み、王位継承者としての重責を担うことを求められました。

即位を阻む勢力との闘い:歴史的背景

イ・サンの即位は、決して平坦な道ではありませんでした。

朝廷内には、彼の即位を阻止しようとする勢力が存在し、激しい権力闘争が繰り広げられました。

貞純王后の兄、金亀柱や和緩翁主の養子、鄭厚謙といった人物はイ・サンの即位を妨害しようとしました。

彼らは、イ・サンの父 思悼世子と対立していた老論派の勢力であり、イ・サンが即位すれば自分たちが危険になると恐れていたのです。

正祖の誕生:困難を乗り越えて

1776年。英祖の死後、イ・サンはついに即位、正祖となりました。しかし彼の前には多くの困難が待ち受けていました。

正祖はこれらの困難を乗り越え、朝鮮王朝の改革に尽力していくことになります。

父の仇を討つ

即位後、正祖はまず、父の死に関わった者たちの粛清を行いました。それは、個人的な復讐というよりも、政治的な安定と改革を進めるための決断だったのかもしれません。

信頼できる側近、洪国栄

若くして即位した正祖にとって信頼できる側近の存在は不可欠でした。そこで重用されたのが洪国栄です。

彼は正祖の期待に応え様々な分野で活躍しましたが、その権力が大きくなりすぎたため、最終的には退任させることになりました。

幾度となく命を狙われる日々

正祖の治世は常に暗殺の危険と隣り合わせでした。反対勢力による暗殺未遂事件が何度も彼の命を狙ったのです。

ドラマで描かれるような命を狙われる場面は、決して誇張されたものではありませんでした。

改革への情熱

困難な状況下でも、正祖は改革への情熱を失いませんでした。税制改革、教育制度の充実、人材登用など、様々な政策を実行し、国民の生活を豊かにしようと努めました。

国民から愛された国王

正祖の努力は、多くの国民に支持され、彼は愛される国王となりました。彼の生涯は、困難に立ち向かい、改革を成し遂げた、まさに波乱万丈でありながらも、偉大な国王の物語と言えるでしょう。

正祖の主な改革

  • 実学の重視:英祖のころから朱子学よりも実用的な学問を大切にしようという動きがありましたが、正祖はさらに発展。清や西洋の進んだ技術や知識を取り入れ、ようとしました。
  • 幅広い人材を採用:英祖の行った蕩平策を受け継ぎ発展させせてそれまで採用の少なかった地域や派閥からも人材を採用。党派の争いを抑えようとしました。
  • 土地制度、奴婢制度、軍事制度の改革:新しい知識や人材を活用し、国内の様々な問題を解決するするため古い制度を改ようとしました。
  • 学問の発展:文芸、学問の振興のための奎章閣を設置。中国や朝鮮から多くの書物を集め保管するとともに人材も育成しました。この取り組みは正祖に忠誠を誓う者を育てるという意味もあります。
  • 地方役人の不正を取り締まる:派閥の温床になっていた書院出身者の中央進出を抑えるととともに、歴代で最も多くの時暗行御史を派遣し、地方役人の不正を監視しました。
  • 水原華城の建設:父の墓を改装するとともに水原に新しい街を建設。古い勢力の影響を抑えるとともに進んだ技術を取り入れた実験都市的な性格をもっています。

早すぎる死とその後

正祖は、1800年に48歳という若さで亡くなりました。彼の死因については、病死説と毒殺説がありますが、真相は明らかになっていません。

正祖の死後、朝鮮王朝は再び混乱の時代を迎え、彼の改革の多くも廃止されました。

正祖は、短い生涯の中で、朝鮮王朝の改革と発展に大きく貢献しました。彼の功績は、現代においても高く評価されています。

 

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ソンヨンのモデル:宜嬪成氏の実話

「イ・サン」に登場するソンヨンは、正祖が最も愛した側室、宜嬪成氏(ウィビンソンシ)がモデルです。ドラマでは「ソンヨン」という名前で親しまれていますね。

宜嬪成氏とは

宜嬪成氏は、正祖の側室の一人です。正祖が最も愛した女性と言われています。

ドラマ「イ・サン」の放送後、新たな史料が解読され彼女の本名が成徳任(ソン・ドギム)であったことや宮中での暮らしなど、いくつかの事実が明らかになりました。

ドラマ「イ・サン」と史実の違い

ドラマ「イ・サン」では、ソンヨンの子ども時代の話や、正祖との出会いのエピソードなどが描かれていますが、これらはすべてフィクションです。

史実では、宜嬪成氏の子ども時代についてはほとんど記録が残っていません。ドラマは視聴者が感情移入しやすいように、様々な脚色が加えられているのです。

一方で宜嬪成氏が側室になってからの軌跡は「朝鮮王朝実録」に描かれた彼女の人生と重なる部分が多いです。ドラマでは、史実に基づいた出来事と、創作された物語が織り交ぜられています。

宜嬪成氏と図画署

ドラマでは、彼女は図画署(トファソ)の茶母(タモ)として登場します。でも史実では宜嬪成氏が図画署に所属していたという記録はありません。

ドラマでは彼女の芸術的な才能が強調されていますが、これは物語を豊かにするための脚色です。

イ・ビョンフン監督の作品では、様々な立場の人物に焦点を当て、歴史や文化への関心を高める工夫が凝らされています。ソンヨンもその一環として、特別な才能を与えられたのでしょう。

正祖との出会いと側室になるまで

宜嬪成氏と正祖がどのように出会ったのか、詳しい記録は残っていません。

史実では彼女は正祖の母に仕える宮女でした。正祖は世孫のころから彼女に惹かれ、側室に迎えたいと考えていました。しかし成氏は正祖の正室に遠慮して彼の求愛を拒み続けます。

正祖が王位に就いた後も断っていましたが、正祖の熱心な願いに応えてついに側室となったと言われています。

ドラマではこの二人の関係がよりドラマチックに描かれています。

子供たちの早すぎる死

宜嬪成氏は正祖との間に3人の子供をもうけましたが、残念ながら全員が幼くして亡くなりました。

特に息子の文孝世子(ムンヒョセジャ)の死は、正祖をはじめとする王族に深い悲しみをもたらしました。この悲劇的な出来事はドラマでも印象的な場面として描かれています。

 

宜嬪成氏の死

宜嬪成氏はわずか34歳という若さで亡くなりました。正祖との深い愛情、そして子供たちの早すぎる死は彼女の短い生涯に大きな影を落としました。

ドラマでも、彼女の死は物語の転機となり、正祖の心に深い傷跡を残します。

「赤い袖先」との違い

近年では、「赤い袖先」というドラマも人気を集めました。こちらは、新たに解読された史料に基づいて制作されているため、宜嬪成氏の設定は史実に近いものとなっています。

ただし、ドギムの考え方や態度が現代的すぎたりドラマチックな展開にするために創作された部分も多くあります。

史実と創作を楽しむ

ドラマ「イ・サン」と「赤い袖先」は、どちらも宜嬪成氏を魅力的に描いた作品ですが、それぞれ異なる視点から彼女の人生を描いています。史実とドラマの違いを知ることで、より深く物語を楽しむことができるでしょう。

 

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パク・テス:サンとソンヨンを見守った親友

パク・テスは、イ・サン(正祖)とソンヨン(宜嬪成氏)の幼なじみ。彼らの友情を支える重要な人物として描かれています。

正祖の護衛武官として活躍し、武芸書の編纂にも協力します。

史実との違い:

パク・テスはドラマのオリジナルキャラクターであり、実在の人物ではありません。
ただし、正祖の護衛武官であった白東脩(ペク・ドンス)がモデルになっていると考えられます。

ドラマの後半では、本物のペク・ドンスも登場し、パク・テスとの共演が実現しています。

孝懿王后(ヒョイワンフ)について

孝懿王后は実在した正祖の正室です。朝鮮王朝史上、非常に評判の高い王妃として知られています。

穏やかで思いやりのある性格で宮中の人々から尊敬され、正祖を支える重要な役割を果たしました。

子供に関する苦悩:

王妃として、王位継承者を産むことが期待されていましたが、子供を授かることができませんでした。

そのプレッシャーから、想像妊娠をしたこともあったと言われています。

元嬪の死でホン・グギョンから犯人だと疑われることもありました。

ドラマでの描かれ方:

ドラマ「イ・サン」では、孝懿王后の苦悩や、ホン・グギョンから疑われる様子が描かれています。

ドラマ「赤い袖先」では、存在はするものの、物語の主要な部分には登場しません。

 

ドラマでは黒幕・貞純王后の実話

ドラマ「イ・サン」では、貞純王后(チョンスンワンフ)が、まるでイ・サン(正祖)の敵であるかのように描かれていますが、史実とは違います。

ここでは貞純王后の史実とドラマでの描かれ方について紹介します。

史実の貞純王后

史実では貞純王后がイ・サンに敵対したという記録はありません。

王室の最高権威者として存在感を示し、王室の将来を案じる一面もあったようです。

正祖の死後、純祖が幼くして即位すると垂簾聴政(すいれんちょうせい)を行いました。

ドラマでの描かれ方

ドラマ「イ・サン」では、貞純王后はイ・サンを排除しようとする勢力の黒幕のように描かれています。

これはドラマを面白くするための脚色で、正祖の改革に反対する勢力を象徴的に表現するためと考えられます。

なぜ悪役のように描かれるの?

貞純王后の兄・金亀柱(キム・ギュジュ)が、正祖と敵対関係にあったことが、影響していると考えられます。

正祖の死後、貞純王后が垂簾聴政を行った際に、正祖が育てた人材が粛清され、改革が廃止されたことも、悪役のように描かれる理由の一つです。

でもこれは貞純王后個人の思惑というよりは、保守派の反発が背景にあったと考えられます。

他のドラマでの描かれ方

  • 大王の道」:貞純王后は、思悼世子(サドセジャ)やイ・サンに敵対せず、むしろ同情的に描かれています。
  • 赤い袖先」:世孫時代のイ・サンには協力的ですが、兄の金亀柱が流罪になったことから、後に敵対するようになります。

このように、貞純王后の描かれ方はドラマによって異なります。ドラマ「イ・サン」では、物語を盛り上げるために史実とは異なる脚色が加えられていることを理解しておくと、より深くドラマを楽しむことができると思います。

 

ホン・グギョンの実話:イ・サンを支えた天才、そして影

「イ・サン」に登場するホン・グギョンは、正祖(チョンジョ)の側近として活躍した人物です。

ドラマでは彼の才能と野心が複雑に描かれています。

正祖の側近として

ホン・グギョンは若い頃から正祖に才能を認められ、側近として重用されました。

彼の優れた知略と行動力は正祖の改革を支え数々の困難を乗り越える原動力となりました。

特に正祖が若いころ、周囲に味方が少ない中でホン・グギョンの存在は非常に大きかったと言われています。

権力と独断

正祖の信頼を得たホン・グギョンは次第に大きな権限を持つようになりました。しかし、その権力ゆえに独断的な行動が目立つようになります。

正祖の意向を汲みつつも、自身の考えを優先することがあり周囲との摩擦を生むこともありました。

妹を側室に

ホン・グギョンは妹を正祖の側室にしました。妹の身分を高めたいという思いもあったでしょうが、自身の権力をさらに強固なものにするという政治的な思惑も背景にあったようです。

元嬪の死と王妃暗殺未遂事件

ドラマでは元嬪の死をきっかけに、ホン・グギョンが王妃を憎み、暗殺を企てようと考えます。

史実ではホン・グギョンが実際に王妃を暗殺しようとしたという記録はありません。

元嬪の死は彼にとって大きな衝撃であり、王妃を疑う気持ちがあったかもしれませんが、暗殺を企てたという証拠はなく真相は謎に包まれています。

失脚と死

ホン・グギョンは常渓君(サンゲグン)を元嬪の養子にし、正祖に世継ぎにするよう進言しました。

この行動が正祖の疑念を招き、周囲からの弾劾も重なり失脚しました。

正祖は彼を流罪にしましたが、流刑先で病死したと言われています。

史実とドラマの違い

ホン・グギョンの失脚と死については史料が少なく、詳しい経緯は分かっていません。

ドラマ「イ・サン」では、彼の栄光と没落、悲劇的な最期がドラマチックに描かれています。

 

まとめ:なぜイ・サンが人気なの?

韓国ドラマ「イ・サン」について、簡単にご紹介しました。

ドラマではイ・サンが幼い頃に父親を亡くしてしまうという悲しい過去や、王になるためにたくさんの困難を乗り越えていく姿が描かれています。

そんなイ・サンが周りの人たちと協力しながら国を良くしようと頑張る姿に、多くの人が感動し共感したと思います。歴史に興味がない人でもドラマの世界観に引き込まれること間違いなしです。

 

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