中国ドラマ「風起隴西(ふうきろうせい)-SPY of Three Kingdoms-」第9・10・11・12話の感想とねたばれ・あらすじの紹介記事です。
魏・呉・蜀が争いを繰り広げていた三国時代の末期。
五仙道の大祭酒 黄預(こうよ)は糜冲と共に出発した陳恭が蜀漢の間諜・白帝だと聞かされ。眼の前にいる糜冲が本物なのか疑います。黄預は曹魏から使者が来たと嘘をつき、陳恭の動きを探るのですが。陳恭はなんとか切り抜けました。
蜀漢では廖会(りょうかい)が殺され秘密の暗号を記した木版が盗まれました。
狐忠は馮膺が犯人だと言って捉えます。李邈は荀詡をこの事件の主審に推薦。李嚴の指示に従うよう要求するのでした。
風起隴西 主要人物
・陳恭(ちん・きょう)/白帝
演:陳坤(チェン・クン)
・荀詡(じゅん・く)
演:白宇(バイ・ユー)
・諸葛亮(しょかつ・りょう)
演:李光潔
・李巌(り・げん)
演:尹鑄勝
・楊儀(よう・ぎ)
園:俞灝明
第9話 暗かに陳倉に渡る
(ひそかにちんそうにわたる)
荀詡(じゅんく)は馮膺が犯人だという狐忠の捜査報告に仕方なく署名しました。でも荀詡は納得がいきません。そこで独自に調査を開始します。すると馬盛が怪しいことがわかったものの、すでに彼は口封じされていました。
本来なら国の中に入り込んだスパイを見つけて、敵国との戦争に勝つのが目的のはずですが。李派が諸葛亮を失脚させるための政治の争いに利用されてしまってますね。
五仙道に潜入している陳恭はひと目につかないように翟悦に会いました。そして目的を話して、彼女から情報を受け取ります。
二人は夫婦で同じ場所にいるのですが。なかなか二人きりで会えずにいましたね。緊迫する状況ですが、ほんのひと時でも笑みが見られるのが救いです。二人とも無事脱出できるといいのですが。
暗渡陳倉(あんとちんそう)=暗かに陳倉に渡る
「兵法三十六計」のひとつ。
もとの意味は「明修桟道 暗渡陳倉」。
韓信が蜀が桟道を修理して軍を移動させると思わせておきながら、裏では別の陳倉に軍を派遣して関中を奇襲した故事から。
韓信は劉邦に仕え漢の建国に貢献した武将。
偽装して敵を騙して他の作戦をすると思わせておいて。本当の目的をできるだけ知られないようにして奇襲すること。
第10話 走ぐるを上計と為す
(にぐるをじょうけいとなす)
荀詡は軍謀司・高堂秉に会って馮膺の脱出に協力するよう頼みました。高堂秉は紫煙閣の楽妓たちが馬岱将軍に招かれて陽平関に行くのを知っていました。そこで荀詡は紫煙閣の柳瑩の協力をえるように高堂秉に指示しました。馮膺は無事脱出します。
高堂秉は荀詡が柳瑩を助けてその柳瑩が紫煙閣の名妓になってるのを知ってるのですけど、怪しい。その柳瑩は曹魏の間諜なんですけど荀詡は知らないんですね。
逃げ延びた馮膺は成都の李厳を訪問するのでした。
馮膺は諸葛亮を助けようとしているのですけど。なんと彼が向かったのは諸葛亮を失脚させようとしている李厳でした。大丈夫?李厳は馮膺を高く評価しているらしく有能な人材が部下になったと喜んでいます。馮膺は言葉巧みに李厳を動かして、楊儀が失脚してしまいます。
走ぐるを上計と為す=走為上(そういじょう)
勝ち目がないなら全力で逃げること。成果が上がらないのに最初の計画にこだわるより、ムダな損害を抑えて撤退し次の作戦に備えるのも指揮官の大切な役目。という意味。敗北とは最終的に戦闘不能になることで。戦う力が残っているなら負けではないという考え。
「逃げるが勝ち=一時的に敵に勝ちを譲っても長期的にみればその方が得」と意味は似ています。
「逃げるのは恥」と考える武士道とは正反対の価値観。武士道は江戸時代の平和ボケした武士の考え方なのでストーリーとしては格好いいかもしれませんが、現実の戦場では意味がないことも多いです。
第11話 草を打ちて蛇を驚かす
蜀漢の皇帝は五仙道を掃討を決定。司聞曹も作戦に加わることになりました。
李邈や陰輯は失脚し馮膺がいない今。高堂秉は司聞曹は自分のものになると思ってるようです。柳瑩は荀詡のことを心配しているのですが、高堂秉は荀詡は用無しだとあざ笑うのでした。
荀詡は高堂秉に利用されていたのですね。柳瑩は曹魏の間諜ですが、荀詡のことを本気で好きになったのでしょうか。
陳恭と翟悦が五仙道に潜入していることは司聞曹の誰も知りません。そこで荀詡は危険をおかして五仙道に総攻撃が始まることを彼らに連絡。
ところが荀詡と翟悦の会話を高堂秉に聞かれてしまいました。二人がどうなるのか心配です。
そして蜀軍の五仙道への攻撃が始まるのでした。攻撃開始の報告に喜ぶ李邈。そしてその場にいた高堂秉は・・・
打草驚蛇(だそうきょうだ)=草を打ちて蛇を驚かす
「兵法三十六計」より古くからある言葉。もともとは草むらをむやみにつつくと蛇を驚かせて、出てきてしまう。「藪蛇」のこと。
「兵法三十六計」では別の意味で使われていて。
状況がわからないときは偵察して何がいるのか知ることが大事という意味です。偵察は戦いの基本。
第12話 門を閉ざして賊を捉(とら)う
(もんをとざしてぞくをとらう)
高堂秉は李邈の茶に毒を入れて殺害。李邈の死の間際。高堂秉は自分が燭龍だと名乗るのでした。
なんと荀詡たちが必死になって探している曹魏の間諜・燭龍は高堂秉でした。司聞曹の重要な地位にいる人間が曹魏のスパイだったとはそりゃ蜀漢の情報ダダ漏れでしょう。
五仙道への攻撃は続いていますが。黄預は抜け道を使ってうまく逃げました。そして燭龍からの連絡を受取、翟悦が蜀漢の間諜だと知ります。怒った黄預は翟悦に怪しげな薬を飲ませます。
翟悦は陳恭を助けようとするのですが、その翟悦がピンチに。
そして馮膺は司聞曹に戻ってきました。馮膺は翟悦が五仙道に潜入したことは知ってます。そして白帝がいることも。馮膺は総攻撃前に荀詡に謎の火災の調査を命じました。
そして黄預は陳恭たちに連弩の設計図を奪いに行くように命じるのでした。
馮膺が復帰できて良かったです。馮膺も彼なりに荀詡の立場は理解できているのでしょう。陳恭の素性はまだバレてないものの翟悦のことを思えば辛いものがありますね。
関門捉賊(かんもんそくぞく)=門を関ざして賊を捉う
敵の逃げ道を塞いで包囲したあとで、一斉に攻撃して倒すこと。
叩けるときには徹底的に叩いておくことと、できるだけ有利な状況を作って戦うのが兵法の基本。下手に反撃されて被害が大きくなる(窮鼠猫を噛む)ことがないよう、自分の戦力が大きく上回っているのが条件。戦力を見極める必要があります。
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