中国ドラマ「風起隴西(ふうきろうせい)-SPY of Three Kingdoms-」第21・22・23・24話の感想とネタバレ・あらすじの紹介記事です。
いよいよ最終回です。
魏・呉・蜀が争いを繰り広げていた三国時代の末期。
諸葛亮が軍を引きいて北伐に出ました。
陳恭は馮膺から10年前に父・陳黻が死んだ件について聞きます。
一方。荀詡は馮膺の動きが怪しいと思い追跡するのでした。
風起隴西 主要人物
・陳恭(ちん・きょう)/白帝
演:陳坤(チェン・クン)
・荀詡(じゅん・く)
演:白宇(バイ・ユー)
・諸葛亮(しょかつ・りょう)
演:李光潔
・李巌(り・げん)
演:尹鑄勝
・楊儀(よう・ぎ)
園:俞灝明
第21話 刀を借りて人を殺す
(かたなをかりてひとをころす)
荀詡は曹魏に機密情報を流そうとしていた馮膺を逮捕。
でも荀詡は何か浮かない様子。荀詡は馮膺が燭龍だと思ったのですが、実は違うのではないかと思い始めたようです。実際、馮膺は2重スパイなので最終的には蜀漢のためを思って動いているのですけどね。
馮膺は独断で動いているので諸葛亮も馮膺のやってることは知りません。でも諸葛亮は何か感づいている様子です。
馮膺は曹魏の青萍計画内容を知っていました。そのうえで政敵の李嚴を倒すために曹魏の計画を利用。曹魏のスパイと思わせる行動をとっているようです。
陳恭は黄預から荀詡を始末するように言われます。しかし黄預もまた陳恭の命を狙っていました。
借刀殺人(しゃくとうさつじん)=刀を借りて人を殺す
敵がいた場合、自分が直接攻撃するのではなく。他人にこちらの敵を攻撃するよう仕向けること。敵の仲間や配下の者をこちらに協力させるよう仕向けることも含みます。成功すれば自分の被害を抑えて敵や他人の戦力を減らすことができます。
第22話 樹上に花を開かす
(じゅじょうにはなをさかす)
陳恭は荀詡を毒矢で討って任務を実行。黄預はそれを見届けました。荀詡に毒矢が命中して倒れますが、幸いにも司聞曹の兵士に助けられました。
陳恭は本気で殺すつもりはなく、荀詡が助かったと聞いてホッとした様子。逆に、荀詡の安全を心配していますね。曹魏のスパイになっても荀詡との仲は壊れていないのが救い。
そのころ諸葛亮率いる蜀漢軍は王双の曹魏軍を討って渭水に接近。郭淮と対峙します。
諸葛亮が勝つと自分の立場が危なくなると考えている李厳は不安にかられ、皇帝に密書を描くのでした。
それにしても李厳は国のことより自分の地位を心配するとは。こういうのが上層部にいると組織はダメになりますよね。
樹上開花(じゅじょうかいか)=樹上に花を開かす
本来咲いていない花を咲かせて敵を欺くこと。小さな兵力を大きな兵力に見せかけたり、偽の情報を流して敵を惑わせたりします。
第23話 賊を擒えるには王を擒えよ
(ぞくをとらえるにはおうをとらえよ)
柳瑩は書斎に放火。皇帝の密書が失われました。柳瑩は遺体で発見されます。
黄預は諸葛亮に兵糧が届けられるのを阻止するため、水攻めにしようと考えていましたが。届いた報告は蜀漢がやってきたというもの。黄預は陳恭に騙されたことを知ります。
陳恭は翟悦が残した剣で黄預を倒し仇を撃ちました。
密書をなくし慌てる李厳は陳恭から作戦は成功していると嘘の報告を聞かされ、陳恭の意見に従って皇帝の元に向かいます。
荀詡は匿われていた密室から脱出。兵を率いて陳恭を捕らえようとするのでした。
擒賊擒王(きんぞくきんおう)=賊を擒えるには王を擒えよ
唐の詩人 杜甫が漢詩「前出塞」の中で「射人先射馬 擒敵先擒王」(人を射んとすれば先ず馬を射よ、敵を擒えんとすれば先ず王を擒えよ)と詠んだのがもと。できるだけ少ない損害で的に勝つ方法を述べたもの。杜甫が、闇雲に出兵して国や民を疲弊させている高宗を批判して作った詩の中に出てきます。
敵の指揮官を捕らえることで敵全体の戦意を失わさせ勝利を収めようとする作戦。敵の大将を倒してしまえば戦いには勝てるという。戦いの基本。
「前出塞」では中心を直接叩くだけではなく、その周辺を潰してあとで中心部を叩く方法も紹介。こちらは日本では「将を射んとすれば先ず馬を射よ」ということわざになって知られています。
第24話(最終回) 李 桃に代わりて僵る
(すもも ももにかわりてたおる)
荀詡は陳恭が曹魏の間諜・燭龍だと断定。逮捕しました。逃亡中の李厳は馬岱に捕まりました。
今回の北伐は陰平と武都を奪回して終了。
諸葛亮は楊儀の報告を聞き。陳恭が燭龍だと知りますが、楊儀たちが政敵の李厳を排除するために司聞曹を利用したことを叱ります。
陳恭の罪が確定。処刑されることになりました。処刑の前、荀詡は陳恭に会いなぜこんなことをしたのか問いただします。陳恭は父の仇を討つためだと言いますが、荀詡はそれだけでは納得いきません。
処刑は執行され。陳恭は翟悦とともに葬られました。
荀詡は友人と義妹の墓参りをするとため息をつき。新たな一歩を歩みだすのでした。
陳恭は本当は燭龍を捕らえたら翟悦とともに穏やかに暮らすつもりだったのでしょう。でも翟悦が死んでしまい、陳恭には生きる意味が無くなってしまったのでしょう。一人で引き続けるよりも蜀漢の平和のために命をささげて翟悦とともに静かに眠りたかったのかもしれません。
全体を通しての感想は。
敵と味方が入り乱れてややこしい。陳恭は本当に裏切ったのかと思いましたが。裏切ったと思わせて曹魏の作戦を利用していたとは。馮膺と楊儀の動きも間際らしすぎる。諸葛亮じゃなくても怒りたくなります。
本当にマニアックな内容でした。三国志が好きな人でもここまでマニアックなドラマにつていける人はどのくらいいるでしょうか?でも歴史は歪めてませんし。実際にも裏では様々な情報線があったのだろうなと思わされました。
それにしても川井憲次の音楽は良かった。
李代桃僵(りだいとうきょう)=李 桃に代わりて僵る
価値の低いもの(ここでは李(スモモ))が、価値の高いもの(ここでは桃)の代わりに倒れることで、全体の被害を抑えること。
どうしても被害が出るときに、不要な部分やダメージの小さい部分を犠牲にしてでも全体の被害を抑えたほうがよいという考え。
全勝が無理なときは2勝1敗でも最終的に勝利すればよいということ。
このドラマのスモモは一体誰でしょう?
ドラマを最後まで見ればわかりますよね。
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